アメリカの探偵と日本の探偵の違いについて解説

映画「ブロークンシティ」

アメリカの探偵になるには、どんなライセンスや資格が必要なのか?

アメリカの探偵は、日本の探偵とは大きく異なります。

日本では、必要な書類を揃えて、公安委員会に届出を出すことで誰でも簡単に探偵を名乗ることができます。

しかしアメリカでは、探偵がライセンス制となっており、その取得方法も複雑になっています。

そのため取得したライセンスの違いによって、できることの範囲が広がるため、最高位のライセンス取得者は、一律で調査可能な範囲が定められている日本の探偵よりもできることが多くなっています。

このように、アメリカの探偵と日本の探偵には様々な違いがあるので、知ってみると意外で面白い発見も多いでしょう。

そこでこの記事では、アメリカの探偵業のライセンスや資格について解説していきます。


アメリカの映画の探偵

アメリカの探偵映画では、警察機構の中に所属しない探偵が、自ら推理や調査をして事件を解決するものが数多く存在します。

日本にもその様な映画もありますが、比較的アメリカにはより多く存在し、探偵が直接的に事件に介入していく様子が描写されています。

事件に携わる立ち位置も、アメリカの探偵の大きな特徴です。


アメリカで探偵業を営むために必要なライセンスについて

アメリカで探偵業を営むためには、取得しなければならないライセンスがあります。

このライセンスは3段階に分けられており、取得難易度も高いことから、アメリカの探偵は与えられる権限も多く、社会的なステータスも高くなっています。

具体的な内容は州によって変わりますが、アメリカで探偵のライセンスを取得するためには、以下のような条件を満たす必要があります。

アメリカにおける探偵ライセンス取得の条件】

  • 18才以上であること
  • 高校の卒業
  • 身分証明書
  • 前科や犯罪歴がないこと
  • 健康であること
  • アメリカ市民権
  • 職業訓練の受講
  • 警察科学や犯罪法、法務などの準学士
  • 数年間の捜査実務経験

上記の条件はあくまでも一例ですが、このような条件を満たす必要があります。

またライセンスによって取得の条件が大きく変わり、認められる権限も大きく変わります。

例えばライセンスによっては、銃を携行することも認められますが、銃を正しく扱うことを証明できるような訓練を受けていることが必須となります。

州によっては、探偵になるのにライセンスの取得が不要であることもあります。

■アメリカの探偵の仕事

アメリカの探偵の仕事は、日本の探偵の仕事と異なることがたくさんあります。

日本の探偵の仕事は、主に浮気調査や素行調査、ストーカー調査などが中心となりますが、アメリカの探偵の仕事は、主に以下の調査を取り扱っています。

警察に協力して事件の調査にあたる

ここが日本の探偵との大きな違いとなりますが、アメリカの探偵は警察に協力して事件の調査を行うことも多いです。

日本の探偵よりも警察と密接な関係にあり、調査に携われる範囲もかなり広くなります。

凶悪な犯罪にも調査の第一線に立つことができますが、その分大きな危険も伴う仕事になります。

しかし、州によってライセンスの要件が違うため、事件の調査に探偵が加わることが許されない州もあります。


保険会社の賠償調査

アメリカは、訴訟社会と呼ばれているだけあって、保険の賠償請求も積極的に行われることが多いようです。

正当な請求ならともかく、不当に賠償請求を行うような保険詐欺が多いようで、そのため探偵に確認依頼が来ることが多くなっています。

実際に、保険詐欺調査がアメリカの探偵業務の主流になっています。

例えば事故によりまともに歩くことができず、仕事ができないという請求者を探偵が調査して、実際にそのような状況なのかを確かめるというものです。


人探し


アメリカの探偵への依頼は、血縁探しなどの人探しに関する依頼も多いようです。

日本では完全に保護されて確認できない情報も、アメリカでは探偵の権限で確認できることも多いため、発見率も高いのが特徴です。


浮気、不倫調査

男女の問題はアメリカでも共通で、数多くの浮気や不倫によるトラブルが起こっています。

日本ほど探偵への依頼の割合を占めているわけではありませんが、それでも依頼を受けることが少なくはないようです。


日本とアメリカの探偵業の違い

ここまでで、アメリカの探偵業の特徴を述べてきましたが、アメリカと日本の探偵は、様々な点で大きく異なっています。

例えば、日本と違い、探偵になるために必要なライセンスがあり、そのライセンスの取得難易度が高いことが挙げられます。

そのため、社会的な地位も高いとされることが多いようです。

さらに、州によって刑事事件を取り扱うことができることや、拳銃の携行が認められていることなども大きな違いといえるでしょう。

また、細かい面では調査に行く人数も異なっていて、基本的にはアメリカは一人の調査員が調査にあたりますが、日本では2人で調査にあたることが多いです。

さらに、日本は浮気調査がメインで、対象と浮気相手のホテルの出入りなど、決定的な瞬間を撮ることが求められます。

そのため、複数の出入口の確保などで2人以上の調査員が必要となることが多いのですね。

しかしアメリカでは、保険詐欺調査などがメインとなるので、いかに対象を長く撮影をするかが求められることが多いようです。

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